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issued in Summer 2001


CineMagaziNet! 編集部は室田日出男を追悼する。彼は数少ない真の俳優のひとりだった。(2002・6・17)


映画社会史研究会のおしらせ

第22回映画社会史研究会の御案内

下記のような要領で第22回映画社会史研究会を開催します。交通等は京都大学大学院人間環境学研究科のホームページをご参照ください。なお会場等の変更の可能性もありますので直前
にCineMagaziNet!(www.cmn.hs.h.kyoto-u.ac.jp)のWhat's New欄で御確認ください。

講演者 原将人氏(映画作家)
講演題目 「映画の再定義」
日時 2002年5月22日(水)午後4時半〜6時半
場所 京都大学大学院人間環境学研究科棟233演習室
司会 加藤幹郎(京大助教授)

『百代の過客』(94)、『初国知所之天皇』(73)、『おかしさに彩られた哀し
みのバラード』(68)などで知られる日本を代表する個人映画作家原将人氏が京
都と広島で撮影した最新作『MITARI』(02、第1回フランクフルト国際映画祭観
客賞受賞)の日本公開を前に「映画の再定義」を試みる。なお日本初公開は6月
21日、京都芸術センターにて。

入場無料


第20回映画社会史研究会

天才ドイツ・マニエリスム映画作家没後20年記念講演

講演題目「Fassbinder's Germany: No Place to Hide Nor to Abide」(英語による講演)
講演者 Thomas Elsaesser氏(アムステルダム大学映画学教授)

著書に「Weimar Cinema and After」、「Fassbinder's Germany」、「New German Ci
nema」、翻訳された論文に画期的メロドラマ論「響きと怒りの物語」(『新映画理論集成』所収)などが
ある。

日時:2001年9月24日(月)午後1時〜3時(質議応答を含む)
場所:京都大学大学院人間環境学研究科棟433号ゼミ室
司会 加藤幹郎(京都大学総合人間学部/同大学院人間環境学研究科助教授)
交通 京大大学院人間環境学研究科ホームページにアクセスしていただいて、キャンパス地図および交通を御確認ください。(なお会場等の変更の可能性もありますので直前に本欄CineMagaziNet! no.
5(www.cmn.hs.h.kyoto-u.ac.jp)のWhat's New 欄で御確認ください。)

入場無料


第21回映画社会史研究会

講演題目「小唄映画 無声・トーキー移行期における日本の映画と流行歌」(仮題)
講演者 細川周平氏(東京工業大学大学院助教授)

著書『レコードの美学』、『シネマ屋、ブラジルを行く』、『ウォークマンの修
辞学』等

日時:2001年10月3日(水)午後4時半〜6時半(質議応答含む)
場所:京都大学大学院人間環境学研究科棟433号ゼミ室
司会 加藤幹郎(京都大学総合人間学部/同大学院人間環境学研究科助教授)
交通 京大大学院人間環境学研究科にアクセスしていただいて、キャンパス地図および交通を御
確認ください。(会場等の変更の可能性もありますので直前に本欄CineMagaziNet! no.
5(www.cmn.hs.h.kyoto-u.ac.jp)のWhat's New 欄で御確認ください。)

入場無料


木曜シネクラブのご案内 <ア・ィルム・クリーニング>

2001年、毎週木曜日、下記の日程で参考上映会を開催します。開催します。ふだん見ることのできない貴重な(しかしB級作品中心の)映画の試写会。参加者は京都大学学部生向け講義「映像

上映会場 京都大学総合人間学部1号館1B05教室
上映時間 
午後2時40分より午後4時20分まで

ふだん見る機会がほとんどない1920年代の貴重な(しかしB級作品中心の)ビデオ映画の試写会。参加者は京都大学学部生向け講義「映像芸術論」(加藤幹郎助教授担当)および大学院生向け演習・講義「映像表象文化論」(加藤幹郎助教授担当)の受講登録者にかぎります。今秋(2001年)のラインナップは以下の予定。

11月1日(木)  『港の女』Sadie Thompson(1928・アメリカ)
監督・出演:ラオール・ウォルシュ/美術:ウィリアム・キャメロン・メンジーズ/出演:グロリア・スワンソン、ライオネル・バリモア/97分 *原作はサマセット・モームの『雨』。1987年修復版。午前11時より

11月8日(木)  『ファミリー・アルバム』The Family Album(1986・アメリカ)
監督:Alan Berliner/60分 *1920年代から50年代にかけて16ミリで撮影されたホーム・ムーヴィー集。

11月15日(木) 『神の国への回帰』Back to God's Country(1919・カナダ=アメリカ)
製作・脚本・出演:ネル・シップマン/監督:アーネスト・シップマン/72分 *初期のインデペンデント映画製作者にして自然保護論者だったネル・シップマンがカナダの氷原にロケした作品。カナダ国立アーカイヴ修復版。

11月29日(木)  『愛の光』The Love Light(1921・アメリカ)
監督・脚本:フランシス・マリオン/撮影:チャールズ・ロシャー/出演:メアリ・ピックフォード/75分 *結婚した相手はドイツのスパイだった……。UCLAによる修復版。

12月6日(木)  『なにか新しいもの』Something New(1920・アメリカ)
製作・脚本・出演:ネル・シップマン/監督:アーネスト・シップマン他/60分 *初期のインデペンデント映画製作者にして自然保護論者だったネル・シップマンがモハベ砂漠にロケした作品。カナダ国立アーカイヴ修復版。

12月13日(木)  『俺は逃亡者にさせられた』They Made Me a Fugitive(1947・イギリス)
監督:アルベルト・カヴァルカンティ/撮影:オットー・ヘラー/出演:トレヴァー・ハワード、サリー・グレイ/96分
*ロンドンの暗黒街を舞台にした「ブリット・ノワール」。


大学院関係のおしらせ

 京都大学大学院人間環境学研究科で加藤幹郎助教授が研究教育担当する映画学関係(「映像表象文化論」)の修士課程は、同助教授が1年間(2002年8月ー2003年8月)アメリカ合衆国に研究滞在するため2003年度については募集をおこないません。したがって同助教授担当の同研究科博士課程編入試験もおこなわれない予定です(2004年度以降は修士も博士も募集再開の予定)。2003年度から同研究科の松田英男助教授が同種の映画学関係の修士課程を募集する予定ですので、修士課程受験希望者は、2003年度については、そちらを受験することをお勧めします。なお1次の筆記試験は「社会学・現代文明論」を選択してください。そこで映画学関係の問題が選択できます。

京大大学院人間環境学研究科([映像表象文化論]映画学ゼミ)の5年間を総括する

京大大学院人間環境学研究科キャンパス地図

京大周辺地図

交通案内(大学院人間環境学研究科は吉田キャンパス内にあります)

京都市略地図


その他

 丹野達弥他編『成瀬巳喜男―透きとおるメロドラマの波光よ』(フィルムアート社)は読んではいけない。なぜなら丹野達弥による粗筋は、間違った参考文献を丸写しにしただけの、成瀬映画のすばらしさを甚だしくそこねる、およそ映画評論家としての感性も理性も責任感も欠落させた文章だからである。たとえば同書95頁、『噂の娘』(1936)「ものがたり」下段中の「或る日、邦江はバスの中から紀美子と新太郎が仲良く歩いているのを見て」とあるのは、「橋の下を通過する船上で紀美子と新太郎が仲良く寄り添っているのを橋の上から目撃して」の誤り。実際の画面は、橋の上下での移動を伴う一瞬の切り返しという、ほとんどヒッチコック的な緊迫感あふれるモンタージュになっているのだから、この誤りは痛恨である。


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