アノニマス
作者: 黒沢清,吉見俊哉,四方田犬彦,李鳳宇
先月末に岩波書店から出版された『アニメは越境する』を読んだ。日本映画は生きているシリーズの第6巻で、国内外のアニメ研究者による計八本の論稿、神山健治×上野俊哉の座談会、佐藤大、上橋菜穂子らによる短いエッセイその他が収録されている。 泉政文(神戸芸術工科大学まんが表現学科助手)のエッセイ「〈世界〉と〈恋愛〉 ― 新海誠の作品をめぐって」 セカイ系の再検討にはじまり、『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』と新海作品をたどる内容。ただし5割以上が先行する批評の引用(盗用?)、3割が単純な粗筋紹介、残りの2割弱が筆者の主張というなかなか貧弱なバランスの論稿。で、最終的な結論が以下。
中盤で加藤幹郎の新海論を理解できないまま多少批判していたのに、結局、現象学的(フッサール的?)な語彙でまとめてしまうって、どうな根拠なんだろう? はたして「成長の機会としての風景」なんて新海アニメ作品にあっただろうか?(http://d.hatena.ne.jp/bibliophilia/20100812/1286047177)
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